賃貸不動産を旦那さんから相続して確定申告をするようになった奥さん、寡婦控除が抜けていませんか?
あまり聞きなれないが故に忘れがちな寡婦控除についてお話します。
確定申告でいうところの「寡婦」とはどんな人?
そもそも「寡婦」ってなに?どう読むの?
「寡婦」は「かふ」と読みます。
寡婦とは、旦那さんと別れた奥さんを指す言葉です。
寡婦のうち、一定の要件を満たす寡婦については確定申告で「寡婦控除」を使って税金を安くすることができます。
一定の要件を満たす寡婦とは、
- 夫と離婚して再婚しておらず、扶養親族がいる人で合計所得金額が500万円以下の人(ひとり親に該当する人を除く)。
- 夫と死別した後再婚しておらず、合計所得金額500万円以下の人
をいいます。
したがって、旦那さんから賃貸不動産を相続した奥さんで、合計所得金額が500万円以下であれば、寡婦控除を使って税金を安くすることができます。
合計所得金額とは、不動産の貸し付けのみを行っている場合には、
賃貸収入-経費-青色申告特別控除(青色申告をしている場合)
で計算し、この金額が500万円以下かどうかになります。
他の所得があれば、それも足して500万円以下かどうかを判定します。
▼合計所得金額についてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
※ 寡婦控除は奥さんと死別した旦那さんには適用がありません。
寡婦控除を受けると税金がどのくらい安くなる?
「寡婦控除」とは、配偶者控除や扶養控除などと同じ「所得控除」の1つです。
寡婦控除の控除額は27万円です。
所得税の確定申告で寡婦控除を使うと、住民税の計算でも26万円の控除額が受けられます。
寡婦控除を使うとどのくらい税金が安くなるかはその人の所得次第になります。
仮に所得税率10%の人であれば、
- 所得税:27万円×10%=27,000円
- 住民税:26万円×10%(住民税率は一律10%)=26,000円
所得税と住民税合わせて53,000円の税金が安くなるので、結構大きいですよね。
寡婦控除を使うには確定申告にどう書けばいいの?
寡婦控除を使うのに事前の手続きは必要ありません。
確定申告書の第1表と第2表に書くところがあります。
▼第1表
旦那さんと死別した場合、「寡婦、ひとり親控除」の欄に「27」と記載します。
死別の場合は「区分」は空欄にします。
▼第2表
旦那さんと死別した場合、
- 本人に関する事項の「寡婦」に〇
- 「死別」にチェック
をします。
まとめ
旦那さんから賃貸不動産を相続した奥さんの確定申告書で、「寡婦控除」を使えるのに使っていないケースを見かけます。
確定申告をすると所得税・住民税の計算上、それぞれ所得から寡婦控除が引かれるので税金がかなり安くなります。
余計な税金を払うことのないよう、寡婦に該当する人は寡婦控除を忘れずに使うようにしましょう。