ご家族が亡くなって半年くらいたったタイミングで税務署から「相続についてのお知らせ」という書類が届くことがあります。
税務署からの書類となるとびっくりされるかもしれませんが、慌てなくて大丈夫です。
なぜ「お知らせ」が送られてくるのか、そして「お知らせ」が来たらどうすべきかを解説します。
なぜ税務署から「相続についてのお知らせ」が送られてくるのか
「相続についてのお知らせ」が送られてくる人とは、税務署が「もしかすると相続税がかかるのではないか?」と考えている人です。
人が亡くなると「死亡届」を市区町村役場に提出しますが、その情報は税務署にまわります。
税務署は、
- 過去の確定申告の状況
- 給与の源泉徴収票
- 有価証券(株式など)の取引履歴
- 保険金の支払調書
- 不動産の登記情報
などを根拠に相続税がかかりそうな人をピックアップします。
しかし、税務署サイドでも本当に相続税がかかるかどうかまではわかりません。
そこで相続税がかかるかもしれない人に「相続についてのお知らせ」を送り、家族構成や財産状況などを知らせてもらうことで申告漏れを未然に防ごうとするのです。
別に税務署が脱税などを怪しんでいるわけではないので心配しなくて大丈夫です。
「相続についてのお知らせ」が届いたらどうすればいい?
「相続についてのお知らせ」には「相続税の申告要否検討表」という書類が入っており、相続財産や家族構成を記入する必要があります。
この「お知らせ」に回答すべきかについて解説します。
▼相続税の申告要否検討表の詳しい書き方についてはこちらの記事をご覧ください。
相続税の申告書を提出する場合は回答不要
相続税がかかるため申告書を作成している最中に「お知らせ」が来た場合、「お知らせ」は回答せずに捨ててしまって結構です。
相続税の申告をしない場合は回答したほうがいい
「相続についてのお知らせ」への回答は任意のため、回答しなかったからといって罰則があるわけではありません。
しかし相続税がかからず申告をしない場合には、無視せずきちんと回答することをおススメします。
税務署に無用な疑いを持たせないために、しっかりと回答して相続税がかからないことを知らせましょう。
もし「相続についてのお知らせ」が来て相続税がかかることがわかったら
もしかすると「相続についてのお知らせ」を回答しているうちに、実は相続税がかかることに気づくかもしれません。
相続税申告書は亡くなった日から10ヶ月以内に提出する必要があるため、「お知らせ」が来たタイミングでは申告期限まで2~3ヶ月しか残されていません。
相続税を申告するには、10ヶ月以内にどんな財産があるかを把握し、どうやって分けるか相続人の間で決めなければならないため、かなりの時間を要します。
「お知らせ」の回答はしなくていいので、期限内に申告書が出せるよう急いで対応する必要があります。
▼相続税の申告が必要な人についての記事はこちらをご覧ください。
相続税の申告が必要な人でも「相続についてのお知らせ」が来ないこともある
税務署は、相続税がかかりそうな人すべてを把握しているわけではありません。
したがって、相続税の申告が必要な人でも「お知らせ」が来ないケースも多数あります。
「お知らせ」が来なくても、財産が相続税の基礎控除額を超えていれば必ず申告書を提出しましょう。
相続についてのお知らせのまとめ
- 相続税がかかりそうな人には税務署から「相続についてのお知らせ」が届くことがある。
- 相続税の申告書を提出する人は「お知らせ」は破棄してOK。
- 相続税がかからない人は「お知らせ」を無視せず回答するのがおススメ。
- 相続税がかかる人でも「お知らせ」が来ない場合もあるが、来なくても必ず申告する。
「相続税の申告要否検討表」を作成してみて、もし相続財産が基礎控除額ギリギリであれば、念のため専門家に相談したほうがいいでしょう。
思わぬ財産が相続税の対象になり、ひょっとすると相続税の申告義務があるかもしれません。