「実家が古くなってきたのでリフォーム代を出してあげたい。」
「高齢の親のために実家のバリアフリー工事をしてあげたい。」
「親名義の二世帯住宅に住んでいるけどリフォーム代は自分で出したい。」
親孝行として、親名義の家のリフォームを子どもが払いたいということも多いでしょう。
しかし親子間であっても他人名義の家のリフォーム代を出してあげる場合には贈与税の問題が生じます。
出してあげたリフォーム代が110万円を超えれば贈与税がかかる
子どもが親名義の家のリフォーム代を出してあげれば親に贈与税がかかります。
贈与税は年間110万円を超える贈与を受けると、もらった人に10%~50%の税率で課されます。
なぜ親に贈与税がかかるかというと、リフォーム部分は建物の所有者のものになるからです。
したがって、建物の所有者以外の人がリフォーム代を出してあげたなら、そのリフォーム代は建物の所有者への贈与になってしまうのです。
贈与税をできるだけ回避する方法は?
リフォーム前に家を親→子どもへ贈与する
リフォーム前に親名義の家を親から子どもへ贈与すれば、子どもは自分名義の家のリフォームをすることになるので、リフォーム代についての贈与税はかかりません。
家を贈与するには家の登記を親から子どもに移す手続きが必要です。
子どもには贈与税のほか、登録免許税・不動産取得税もかかります。
それでもリフォーム代を贈与するよりは税金が安く済むことが多いです。
家を贈与するときは、「固定資産税評価額」で贈与することになります。
固定資産税評価額は、毎年5月ごろに郵送される固定資産税の納付書に同封されている「固定資産税課税明細書」という書類で確認することができます。
▼固定資産税課税明細書の見かたはこちらの記事をご覧ください。
古い家であれば、家の固定資産税評価額が低く贈与税がほとんどかからないこともあります。
したがってリフォーム代を贈与するよりも家を贈与した方が効果的なケースが多いのです。
リフォーム代を親から返してもらう
親がリフォーム代を子どもに返せば、贈与にはならないので贈与税はかかりません。
一括で返済でもコツコツと分割で返済でも大丈夫です。
贈与ではなく借りただけということを説明できるように、できれば金銭消費貸借契約や返済予定表を作っておくといいでしょう。
まとめ
親子間だからといってあまり深く考えずにリフォーム代を出してしまうと痛い目にあうかもしれません。
例えば500万円を贈与した場合の贈与税は53万円、これを高いとみるか低いとみるか。
親が子どものリフォーム代を負担する場合には住宅取得資金贈与の特例という制度がありますが、子どもが親のリフォーム代を負担する場合にはこのような特例がないので気を付けましょう。