ネットショップでステキなアクセサリーや雑貨を売って成功しているハンドメイド作家さんも多いでしょう。
しかし売上が伸びると、自分は所得税の確定申告が必要かも?と気になりませんか。
(写真はハンドメイドのガラスのペンダントヘッド)
確定申告が必要?収入ではなく「所得」をチェック
所得とは
確定申告が必要かどうかはいくら売れたか(収入)ではなく所得がいくらかで決まります。
所得とは、収入から必要経費を引いた残りをいいます。
所得=収入-必要経費
例えば売り上げが50万円、経費が30万円であれば、所得は50万円-30万円=20万円
確定申告が必要な所得はいくら?
「確定申告が必要な所得はいくらか」は、他に給与所得があるかどうかで異なります。
※ハンドメイド作品を売った所得と給与所得以外の所得はないものとします。
① ハンドメイド作家一本でやっている場合
ハンドメイド作家としての所得のみの場合、1年間の作家活動の所得が48万円を超えれば確定申告が必要になります。
※具体的には、所得から所得控除を引いてプラスがあれば確定申告が必要になります。ここでは誰でも引ける「基礎控除48万円を超える場合」としていますが、実際は社会保険料控除などの所得控除があれば確定申告が必要な所得は低くなります。
② メインは給与所得でハンドメイド作家は副業である場合
給与所得がメインでハンドメイド作家は副業である場合、1年間の作家活動の所得が20万円を超えれば確定申告が必要になります。
ハンドメイド作家の必要経費とは何か
必要経費とは
必要経費とは、事業をするのに支払った経費です。
ハンドメイド作家であれば、作品を作るための材料費やネットショップ出店料、お客様への送料などがあげられます。
具体的にはこんなところでしょうか。
ハンドメイド作家の主な必要経費
- 材料費
- 製作に必要な機械や道具代
- パソコン、カメラ、スマホ代
- 自宅で作業していれば、水道光熱費や家賃の一部
- アトリエを借りていればアトリエ代
- 写真をきれいに撮るための照明や飾り
- ネットショップ出店料
- お客様への送料、梱包ケース代
- 仕事仲間やほかの作家さんなどとの打ち合わせにかかった飲食代、交通費 など
ただし収入から引ける必要経費は、単純に今年支払った経費の合計ではなく、たな卸しを考慮しなければなりません。
たな卸しとは
12月31日現在で、
- 売れ残っている商品(在庫)
- まだ作りかけの商品(仕掛品)
- まだ使っていない材料
がある場合、これらはその年の経費にすることができません。
したがって、12月31日でこれらのものがいくら残っているかリストアップし、経費から除かなければなりません。
これをたな卸しといいます。
たな卸しをして経費から除かれたものは、翌年以降売れた年の経費になります。
たな卸しは、売るときの値段ではなく、材料を買った値段で行います。
例えば、経費が材料である布だけだったとしたら・・・
- 今年材料費として布Aを@1,000円を30m(30,000円)買いました。
- 12/31時点で布Aは10m(10,000円)残っていました。
- 去年のたな卸しでは布B@1,200m×5m=6,000円を在庫に計上し、これは今年使い切りました。
- 今年の必要経費は、30,000円-10,000円+6,000円=26,000円 になります。
つまり必要経費とは、
必要経費=今年払った経費-今年のたな卸高+去年のたな卸高
になります。
ハンドメイド作家の確定申告のまとめ
- 確定申告が必要かどうかは、収入ではなく所得で決まる。
- 他に給与所得があるかないかで確定申告が必要な所得は異なる。
- 必要経費は単純に今年払った経費だけでなく、たな卸しを考慮する。
金額の集計には帳簿付けが必要です。
手書き、Excel、クラウド会計などなんでも結構ですので、自分の所得をきちんと計算して確定申告が必要かどうか把握しましょう。