確定申告を初めてされる人へ「確定申告とは何か?」をざっくり解説

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個人事業主(フリーランス)になると避けて通れないのが「確定申告」。

会社員のころは会社が年末調整で税金の計算をしてくれましたが、個人事業主になると自分で確定申告をして税金を計算しなければなりません。

「そもそも何のために確定申告をするの?」

「どんな人が確定申告しなければならないの?」

「税金はどうやって計算するの?」

「確定申告のスケジュールは?」

確定申告を初めてされる人へ、確定申告の全体像をつかめるようざっくりと解説します。

いきなり確定申告書の作り方の詳細を知ろうとするとややこしいので、まずは全体像を知りましょう。

目次

そもそも確定申告は何のためにするの?

確定申告は1年間の税金を計算して納めるためにする

確定申告は1年間の税金を計算して納めるためにします。

個人事業主(フリーランス)は自分で税金を計算し、申告・納税しなければなりません。

1年間とは毎年1月1日から12月31日までの期間をいいます。

所得税の確定申告をすると所得税・住民税・事業税の3つの税金が計算される

個人事業主(フリーランス)が作成、提出する確定申告書は「所得税の確定申告書」です。

しかし所得税の確定申告書は、実は所得税だけではなく住民税・事業税の計算にも使われます。

申告した覚えのない住民税や事業税の納付書が来て驚かれた方も多いのではないでしょうか?

その他、国民健康保険料の計算にも使われます。

所得税

確定申告で計算・納税をするのが所得税です。

住民税

所得税の確定申告をすると、その確定申告書がお住まいの市区町村に回ります。

市区町村は確定申告書を基に住民税を計算し、毎年5月ごろ納付書を送ってきます。

事業税

所得税の確定申告をすると、その確定申告書がお住まいの都道府県に回ります。

都道府県は確定申告書を基に事業税を計算し、毎年8月ごろ納付書を送ってきます。

事業税がかかるのは「収入-経費」が290万円を超える個人事業主です(一部事業税のかからない職種もあり)。

確定申告はどんな人がしなければならないの?

確定申告をしなければならない人とは、ざっくりといえば事業が黒字で所得税がかかる人です。

しかし赤字であっても確定申告(青色申告に限る)をすることをおススメします。

なぜなら赤字であっても青色申告をすれば、その赤字は翌年以降の黒字と相殺して税金を減らすことができるからです。

確定申告書の所得税計算はどうやってやるの?

確定申告の所得税計算はどうやってやるのか、大まかな流れを解説します。

1.「収入-経費」で所得を計算

確定申告では必ず「所得」という言葉が出てきます。

所得とは「収入-経費」で計算します。

・収入とは売上のこと
・経費とは売上をあげるために直接要した支払いのこと
・収入-経費=所得

青色申告をしているのであれば、「収入-経費-青色申告特別控除」が所得になります。

2.所得から所得控除を引く

所得が計算し終わったら、次は所得控除を計算します。

所得控除とは、その名の通り「所得から差し引かれるもの」であり、全部で15種類あります。

  1. 社会保険料控除
  2. 小規模企業共済等掛金控除
  3. 生命保険料控除
  4. 地震保険料控除
  5. 寡婦控除
  6. ひとり親控除
  7. 勤労学生控除
  8. 障害者控除
  9. 配偶者控除
  10. 配偶者特別控除
  11. 扶養控除
  12. 雑損控除
  13. 医療費控除
  14. 寄付金控除
  15. 基礎控除

3.税率をかける

所得控除の計算が終わったら、所得から所得控除を引きます。

「所得-所得控除」の金額が「課税される所得金額」になります。

「課税される所得金額」を次の表に当てはめて所得税を計算します。

所得税の速算表
出典:国税庁

実際の数字を使ってざっくり所得税を計算

実際の数字を使ってざっくりと所得税を計算してみましょう。

  • 収入700万円、経費235万円
  • 青色申告をしている。青色申告特別控除65万円
  • 所得控除100万円

こんな例であれば、

所得:収入700万円-経費235万円-青色申告特別控除65万円=400万円。

課税される所得金額:所得400万円-所得控除100万円=300万円。

所得税:300万円×10%-97,500円=202,500円

になります。

確定申告のスケジュールは?

1月1日~12月31日までの所得税は、翌年2月16日~3月15日の間に確定申告書を税務署に提出します。

所得税の納税方法は大きく2つあります。

  1. 自分で納付書を書いて銀行・郵便局・税務署の窓口で納める方法
  2. 予め手続きして振替納税(口座振替)する方法

窓口で納める場合、確定申告書の提出と同じく3月15日までに納めなければなりません。

振替納税をする場合、引き落としは4月中旬であり、窓口で納めるよりも1ヶ月程度遅れます。

確定申告の大まかな全体像のまとめ

  • 確定申告は1年間の税金計算のために行う。
  • 個人事業主が作成するのは所得税の確定申告書だが、この申告書は住民税・事業税・国民健康保険料の計算にも使われる。
  • 確定申告をしなければならないのは黒字で所得税がかかる人。
  • 赤字であっても青色申告をすれば、翌年以降の黒字と相殺して税金を減らすことができる。
  • 所得税は「所得-所得控除=課税される所得金額」に対して税率をかけて計算する。
  • 確定申告書の提出期限及び所得税の納期限は翌年3月15日。ただし振替納税にすれば納期限が1ヶ月先延ばしになる。

確定申告書を作る前に、まずは確定申告とは何かをざっくり知っておくことが大切です。

全体像を知らなければ、いざ確定申告書を作ろうとしても何をしたらいいかよくわからなります。

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