2人以上で共有している不動産を賃貸している場合、その共有不動産専用の口座(以下「共有口座」といいます)を作ってお金を管理していることが多いのではないでしょうか。
共有口座へのお金の出し入れは、十分に注意しなければなりません。
もし共有口座からテキトーにお金を引き出したり、誰かが立て替えた経費の精算を怠ったりすれば、各共有者への分配金や確定申告の計算がめんどうなことになります。
共有不動産の入出金は必ず共有口座から行う
共有不動産の共有口座を作ったら、共有不動産の入出金は必ず共有口座から行いましょう。
共有口座に集約すれば、
- 口座の残高=共有不動産の収支でありわかりやすい。
- 各共有者のお金の取り分は、共有口座の残高を共有割合で按分するだけで簡単に計算できる。
- 確定申告は共有口座を集計し、持ち分で按分するだけで決算書ができあがる。
というメリットがあります。
共有者の誰かが経費を立て替えたときは、必ず共有口座から引き出して精算しましょう。
共有不動産にかかる入出金を共有口座を通さず行ってしまうと、共有者間でお金の「未収・未払」が生じ、これが積もりに積もるといくら精算すればいいかわからなくなります。
せっかく共有口座を作っても意味がありません。
共有口座で気を付けたいこと3つ
共有不動産の入出金を共有口座に集約する場合、気を付けたいこと3つをお話します。
1.プライベートな入出金をしない
共有口座に共有者がそれぞれプライベートな入出金をしてしまうと、共有口座のお金を分配する際、めんどうな計算が発生します。
共有口座は、その残高を共有持分に応じて按分するだけで各共有者のお金の取り分を計算できるのがメリットです。
共有口座にプライベートな入出金をすることは極力避けましょう。
2.年に1回はお金を分配する
共有口座の残高は、年に1回は決まった時期に共有持分で按分し、各共有者の口座に送金しましょう。
よくあるのは確定申告時期に所得の計算と同時に共有口座のお金の分配も行う方法です。
3.共有口座から各共有者にかかる税金を払うのはやめる
たまに共有口座から各共有者の税金を払っているのを見ますが、これはやめましょう。
税金は各共有者ごとに納税額が違うためです。
確定申告の納税前に共有口座のお金を分配し、各共有者それぞれの口座から税金を払うようにしましょう。
※ただし、共有不動産の固定資産税は共有不動産にかかる税金であるため共有口座から払います。
まとめ
共有の賃貸用不動産については、共有口座を作ると管理が大変便利です。
共有不動産にかかる入出金はすべて共有口座に集約し、年に1回は各共有者に分配しましょう。
また、共有者の誰かに相続が起こった場合、共有口座の残高に亡くなった人の持分をかけることで、相続財産にいくら計上すべきか簡単に計算することができます。