「確定申告をするのは今年だけ」「今年から確定申告が必要になるが、今年はとりあえず紙で提出したい」などの理由で、郵送で確定申告書を提出する人も多いでしょう。
しかし、郵送により提出するにはいくつか注意事項があります。
郵送には決まりごとが多いので確認しましょう。
1.どこの税務署に提出するかを調べる
まずは確定申告書をどこの税務署に提出するかを調べましょう。
提出先は提出時の自宅の住所(納税地を事務所等としている場合は事務所等の住所)を管轄する税務署になります。
例えば令和4年1月に東京都豊島区から東京都杉並区高円寺に引っ越した場合、令和3年分の確定申告書の提出先は、提出時の住所を管轄する杉並税務署です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成する場合は提出先の税務署を自動的に判定してくれますが、手書きや税務ソフトで作成する場合は自分で判断しなければなりません。
管轄税務署を調べるには、国税庁ホームページ「税務署の住所地などを知りたい方」で住所地の郵便番号を入力するのが一番簡単で確実な方法です。
「住所地+税務署」で検索しても出てきますが、同じ区や市に税務署が2つ以上ある場合もあるので注意が必要です。
例えば杉並区を管轄する税務署は、杉並区のうち阿佐ヶ谷、高円寺地区を管轄する「杉並税務署」と、荻窪地区を管轄する「荻窪税務署」があります。
税務署のホームページを下へスクロールして「管轄区域」を確認しましょう。
▼杉並税務署のホームページ
2.提出する書類の確認
控えをもらうために申告書は2部提出しよう
申告書は税務署提出用に1部送れば足りるのですが、自分用の控えをもらうために2部提出することをおススメします。
控えをもらったほうがいい理由は、
- 間違いなく申告書を提出した証拠が手元に残る。
- 万が一税務署から問い合わせが来たときに答えやすい。
- 来年以降の申告書の作成の参考になる。
からです。
控えの分には、申告書の上のほうにでも「控」と書くといいでしょう。
控えには、税務署が受け取った印である「収受印」が押されます。
収受印には「税務署名」と「受け付けた年月日」が記載されています。
控えは7年間取っておきましょう。
控えをもらうには返信用封筒を同封しよう
税務署に控えを送っても、残念ながら自動的には返信してくれません。
控えを返してもらうために、申告書と一緒に返信用封筒を送りましょう。
返信用封筒には「自分の住所、氏名」を書き、切手を貼ります。
封筒のサイズは入れば何でもかまいません。
添付書類がある場合には忘れずに送ろう
例えば、
- 生命保険料控除やふるさと納税などの所得控除を受けるため
- 住宅ローン控除1年目
- 不動産を売却した
などの場合は申告書だけでなく添付書類が必要になります。
忘れずに送るようにしましょう。
マイナンバーも忘れずに
申告書と一緒にマイナンバー関係の書類も同封します。
- マイナンバーカードを持っている場合:マイナンバーカードの表面・裏面のコピー
- マイナンバーカードを持っていない場合:マイナンバー通知書のコピー+運転免許証などの身元確認書類のコピー
マイナンバーの書類は申告する本人のものだけ送ればOKです。
例えば配偶者控除や扶養控除を受ける親族がいる場合、申告書に配偶者や扶養親族のマイナンバーの記載は必要ですが、マイナンバー関係の書類の添付は不要です。
3.確定申告書の郵送方法
確定申告書は「信書」にあたるため、「郵便物」または「信書便物」として郵送する必要があります。
ちなみに「信書」とは、
とのことです。
信書を送ることができるのは、
- 普通郵便
- レターパック(青、赤どちらでもOK)
- 特定記録
- 簡易書留
になります。
普通郵便で送ることはできますが、万が一紛失されたら大変です。
追跡機能があるレターパック、レターパックに入らなければ特定記録で送るのがおススメです。
ちなみに「ゆうパック」や「宅急便」などは荷物扱いになるため信書をおくることができません。
4.郵送の場合、いつ提出したことになるの?
郵送だと「送った日」と「税務署に届いた日」のどっちが提出日になるの?
消印の日付が提出日になります。
郵送の場合、消印の日付が提出日になります。
したがって、3/15が提出期限の場合は3/15の消印があれば期限内に提出したことになります。
提出期限ギリギリの場合は、ポストに投函だと翌日の消印になるかもしれないので、直接郵便局に持ち込みましょう。