ふるさと納税をすると、寄付額から2,000円を引いた金額が税金から引かれます。
つまり、自己負担額2,000円で特産品が手に入るおトクな制度です。
しかし、「ふるさと納税の効果が実感できない」という声を聞くことがあります。
なぜふるさと納税のおトク感が実感できないのか、ふるさと納税の寄付額がどのようにして税金から引かれるか解説します。
ふるさと納税の寄付額-2,000円がすべて税金から引かれるのは6月以降の住民税から
ふるさと納税すると確定申告で「寄付額-2,000円」がドンッと戻ってくるんじゃないの?
ふるさと納税の効果が実感できないという人は、もしかするとこんなイメージなのかもしれません。
実は、所得税の確定申告をしてもふるさと納税の一部しか戻ってきません。
ふるさと納税の「寄付額-2,000円」は、
- 所得税の確定申告をすれば、所得税+6月以降に支払う住民税から
- ワンストップ納税をすれば、6月以降に支払う住民税から
引かれることになります。
つまり、自己負担額2,000円を除いた寄付額が税金から全額引かれるのは、住民税がかかる6月以降からになります。
確定申告をした場合にふるさと納税が税金から引かれる過程
所得税の確定申告をした場合、ふるさと納税分の税金が引かれる過程は次のとおりです。
所得税から引かれる分
所得税から引かれるのは、
(寄付額-2,000円)×所得税率
になります。
したがって、例えば
- ふるさと納税として寄付額50,000円
- 所得税率20%
であれば、所得税の確定申告で引かれるのは50,000円-2,000円=48,000円ではなく、(50,000円-2,000円)×20%=9,600円になります。
住民税から引かれる分
残りの(50,000円-2,000円)-9,600円=38,400円は、住民税から引かれます。
よって、ふるさと納税の大部分は住民税から引かれるのです。
住民税は、
- 自分で納める場合は、ふるさと納税をした翌年6月、8月、10月、翌々年1月の4回or翌年6月に一括
- サラリーマンであれば、ふるさと納税をした翌年6月~翌々年5月までの給与から天引き
により納めることになります。
ふるさと納税が税金から差し引かれる過程を時系列にすると下図のようになります。
「本当に住民税からふるさと納税分が引かれているの?」と不安に思った方は、住民税の納税通知書の「寄付金控除」欄にふるさと納税の額が記載されているかご確認ください。
ワンストップ納税をした場合には全額住民税から引かれる
確定申告がいらないワンストップ納税をした場合には、所得税からの差し引きはなく、全額住民税から引かれます。
寄付額-2,000円が全額戻ってこない場合もある
ふるさと納税は限度額があります。
この限度額を超えてふるさと納税による寄付をしても、その分は返ってきません。
つまり、2,000円を超える自己負担額が生じることになります。
限度額は年収や家族構成によって異なりますので、知りたい方はシミュレーションサイトなどでご確認ください。
シミュレーションサイト>>>ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」
ふるさと納税のまとめ
- 確定申告をした場合、ふるさと納税の寄付金は所得税と住民税から引かれる。
- ワンストップ納税をした場合、ふるさと納税の寄付金は全額住民税から引かれる。
- ふるさと納税の限度額を超えて寄付をすると2,000円を超える自己負担額が生じる。
ふるさと納税は所得税の確定申告で全額戻ってくるわけではなく、大部分が住民税から引かれるというのが、効果がいまいち実感できない理由です。
サラリーマンであれば、ふるさと納税をした翌々年の5月分のお給料から天引きされる住民税まで待ってやっと「寄付額-2,000円」のすべての差し引きが終了する、ということになります。
したがって、自己負担額2,000円が達成されるまでには結構時間がかかるのです。