「相続についてそろそろ何か始めたいけど、何から手を付けていいのかわからない。」というのであれば、まずはお手持ちの財産のリストを作りましょう。
財産リストの作り方と、作ると何がわかるかを解説します。
手始めに財産リストを作ってみよう
相続について何か始めたいと思ったら、まずは財産リストを作りましょう。
どんな財産を持っているのか一覧表にすることで、具体的に何をすべきかが見えてきます。
財産リストを作ったほうがいいのは、相続税がかかりそうな人だけではありません。
相続税がかからない人でも遺産を分ける必要があります。
また、何の財産を持っているかあやふやのまま亡くなってしまうと、残された家族が受取や解約の手続きをするのに困ってしまいます。
財産リストの作り方
財産リストの例
エクセルや手書きで、次のように財産の洗い出しをしてみましょう。
市販のエンディングノートを使って作成してもかまいません。
- 財産と債務
財産・債務の種類 | 所在地や銘柄など | 面積や数量など | 価格 |
土地 | 〇〇市〇〇町1丁目1番1号 | 200㎡ | 3000万円 |
家屋 | 〇〇市〇〇町1丁目1番1号 | 100㎡ | 200万円 |
預金 | 〇〇銀行〇〇支店 | 普通預金 | 1000万円 |
〃 | △△銀行△△支店 | 定期預金 | 500万円 |
株式 | 〇〇社 | 1000株 | 50万円 |
〃 | △△社 | 300株 | 30万円 |
自動車 | 20万円 | ||
財産 計 | 4800万円 | ||
借入金(住宅ローン) | 〇〇銀行〇〇支店 | △500万円 | |
債務 計 | △500万円 | ||
合計 | 4300万円 |
- 生命保険金
保険会社 | 種類 | 受取人 | 受取額 |
〇〇保険会社 | 終身保険 | 妻 | 1000万円 |
合計 | 1000万円 |
財産の価格の出し方のポイント
それぞれの財産の価格の出し方のポイントは次のとおりです。
- 土地と家屋については「固定資産税の納税通知書」を用意します。詳しいやり方は下記の記事をご覧ください。
- 預金は通帳の残高を記載します。
- 株式は上場されている銘柄であれば、インターネットのYahoo!ファイナンスなどで今の1株当たりの株価を調べます。
- 自動車は今いくらで売れるかが知りたいので、中古車販売サイトなどで調べます。
- 借入金は「返済予定表」で今の借入金残高を調べます。
- 生命保険金は「保険証券」などで受取人と受取額を調べます。
リストを作ると見えてくる2つのこと
誰に何を残すか考えることができる
財産を一覧にすることで、誰に何を残そうか具体的に考えることができるのではないでしょうか。
ただし、自分が希望するとおりに財産をわけてほしいのであれば、リストやエンディングノートに書いただけではダメです。
きちんと遺言書を残すことが必要になります。
相続税がかかるかどうかの目安になる
財産の価格の合計がわかることで、相続税がかかるかどうかある程度判断することができます。
相続税は、財産が「3000万円+600万円×法定相続人の数」を超えれば、超える部分につき課されます。
ただし相続税には、
- 配偶者の税額軽減
- 小規模宅地等の特例
- 生命保険金の非課税枠
といった大きな減額特例があり、結果として相続税がかからないこともあります。
また相続税がかかるとしても、何か対策が打てるかもしれません。
気になるようでしたら、専門家に見てもらうのがいいでしょう。
財産リストについてのまとめ
- 相続対策を始めたいなら、まずは財産リストを作ろう。
- 財産をリスト化することによって、次に何をすべきか(例えば「遺言書を作る」「相続税の対策を考える」「専門家に話を聞く」)が見えてくる。
財産リストを作ることは、相続だけでなく老後のライフスタイルを考える場合にも役立ちます。
ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。